この物語について
この物語は、ある女性が実際に経験したことをもとに書いています。本人や関係者が特定されないよう、人物設定や地域、時期、会話など、一部に創作や再構成を加えています。
主人公は亜希。元恋人は史作。そして、後に亜希の夫となる慎吾。名前はすべて仮名です。
~結婚適齢期の女性に起きた悲劇とそれから~
第一話 出会い
私、亜希は、自他ともに認める「ダメ男製造女」だった。
好きになれば尽くす。困っていれば助ける。相手が喜ぶなら、自分のことは後回し。ところが私と付き合った男性は、なぜか時間が経つほど自分で何もしなくなっていく。
当時24歳。恋人と別れて数か月が過ぎ、そろそろ自分の人生を考えなければと思い始めていた。
親元を離れ、自分の力で生活してみたい。どうせなら簡単には甘えられない場所へ行こう。
そう決めた私は、故郷を離れて大阪で暮らすことにした。
年が明けて間もない頃から慌ただしく仕事を探したが、予想より早く勤務先が決まり、住む場所も確保できた。
仕事もある。部屋もある。これなら何とかなる。
そう思ったところで気づいた。
「……私、大阪に友達も知り合いもいない」
そこで当時使っていたSNSで、同じように大阪で新生活を始める人たちと交流するようになった。
そこで知り合ったのが史作だった。
史作も故郷を離れ大阪で暮らしていた。私よりかなり年下で、笑った顔にはまだ少年っぽさが残っていた。
他に頼れる人の少なかった私たちは頻繁に会うようになり、いつしかお互いがお互いの拠り所になった。
そして数か月後、自然と交際が始まった。
あの頃の私は、これを「いい出会い」だと思っていた。
まさかこの出会いから、八年もの時間を費やすことになるとは思っていなかった。
そしてその八年の先で、本当に結婚する相手と出会うことも、まだ知らなかった。



コメント