~結婚適齢期の女性に起きた悲劇とそれから~
第六話 繰り返し
私は史作に別れを告げた。
「そんなに私のことが嫌いなら、別れよう」
史作は「勝手にしろ。俺も前から別れようと思ってた」と強気に言った。
これで終わった。
そう思った数日後、電話がかかってきた。
熱が出て動けない。何か食べ物を買ってきてほしい。
断ればいい。
頭では分かっていた。
でも、大阪へ来た頃からずっと一緒にいた。恋人である以前に、大阪で一番古い友人でもあった。
結局、私は世話をしに行った。
弱っている史作は、暴力を振るう時とは別人のように見えた。
喜んだ時の笑顔を見ると、出会った頃を思い出した。
そして戻る。
また傷つく。
別れる。
また戻る。
まるで反抗期の息子と、それを受け入れてしまう母親のようだった。
気づけば、大阪へ出てきて五年が過ぎていた。
自立するために故郷を離れたはずだった。
これが私の目指していた自立なのだろうか。
出口の見えないトンネルにいるようだった。
そんな中、突然、史作の転勤が決まった。



コメント